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ねえ、眠れないから
世界でいちばんやさしいお話をきかせて。
目が覚めて、初めて見たものは
どこか懐かしい景色と
今まで見た中で、いちばん美しい天使さん。
「あなたはもうすぐ産まれるのよ」
そう聞いたとき
絶対いやだと思ったの。
天使さんは、そのやさしい声で
どんな世界が待っているかきかせてくれた。
すべての物語を知っているんだって。
ならどうしてそんなに哀しそうな瞳をするの？
そんな世界に、どうして産まれなきゃいけないの？
Character
セノア
好奇心旺盛で、少しめんどくさがり屋。
産まれることを拒絶している天使。
赤ちゃんのように無垢なのに丁寧。
物語を聞いては、これから生まれる世界へ
思いを馳せている。
これが『わたし』になる物語？
リチュ
あるお姫様と同じ名前と外見をした美しい天使。
聡明な上、愛らしいがどこか寂しげ。
ここではない何処かの物語を聞かせてくれる。
これが『わたし』だった物語。
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